ASD(アスペルガー)

ASDの検査の話 ②WAIS-Ⅳ

この記事はこんな方に向けて書きました!

自分はASDかもしれない。
ASDの検査を受けるか迷ってる。
どんな検査をするか知りたい。

私は社会人になってから
生きづらさを感じるようになり
約7年うつ病や双極性障害を拗らせました。

そんな中2022年7月に初めて
発達障害の検査を受けました。

結果はASD(自閉症スペクトラム)
の傾向があるとのことでした。

そこで私が受けた以下の3つの検査について
概要や受けた感想をまとめました。

AQ(自閉症スペクトラム指数)検査
②WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)
③ロールシャッハテスト


今回は②WAIS-IVについて紹介します。

WAIS–IVとは?

ウェクスラー式知能検査の成人用です。

発達障害や知的障害の診断の際に、
世界的に行われている検査です。

発達障害の検査=WAISと思われがちですが、
あくまで1つの診断材料です。

ASDの場合はWAISと併せて
AQ(自閉症スペクトラム指数)検査
を受けて診断されることが多いです。

WAIS–IVの目的

発達障害や知的障害の有無はもちろんですが、
能力の凸凹を知ることが一番の目的です。

発達障害を抱える方やグレーゾーンの方は、
漠然とした生きづらさを抱えがちです。

できることとできないことの差が大きく、
それが生きづらさの原因になりがちです。

WAISの検査では4つの指標を数値化し
能力の凸凹が明確になります。

漠然とした生きづらさの正体を
明らかにして対策を考えるために
WAISの検査が行われています。

また世界的な水準で自分の能力を
客観視することができます。

MENSAの試験でも
WAISが行われるようです。

WAIS–IVの内容

「言語理解指標(VCI)」
「知覚推理指標(PRI)」
「ワーキングメモリー指標(WMI)」
「処理速度指標(PSI)」

の4種類の指標で検査が行われます。

言語理解指標(VCI)

語彙力、思考力、推理力の指標です。
言語を用いたコミュニケーションや
思考、推論などに必要な力です。

「知覚推理指標(PRI)」

視覚から得た情報を論理的に捉えたり
全体を把握したりする力の指標です。
新しい情報を把握し解決する能力、
対応力に影響すると言われています。

「ワーキングメモリー指標(WMI)」

情報を一時的に記憶して、
頭の中で整理、処理する力の指標。
暗算や口頭での指示の理解に
大きく関わっている能力です。

基本的な学習能力との関連も深く
学習障害の方はワーキングメモリが
低い傾向にあります。

「処理速度指標(PSI)」

情報を処理するスピードの指標です。
目で見たものを書き写すような
単純作業を素早く正確に行う能力です。

WAIS–IVの料金

私の病院では22000円でした。

病院によって
検査料金は異なります!

WAIS–IVの私の結果

私の各項目の指数とフィードバックの内容です。

言語能力:IQ129(非常に高い)

語彙がとても豊富ですし、
抽象概念の理解も知識力も
非常に高い水準です。

知覚推理:IQ111(平均-平均以上)

ひらめきや柔軟な思考に
強いことが示されました。

ワーキングメモリIQ95(平均以下-平均)

聞き取りの計算問題で
何度か聞き直しが見られました。
聴覚情報のキャッチと
聴覚記憶の苦手さがあるようです。

処理速度:IQ105(平均)

視覚情報を動作に繋げる能力が高く、
単純な作業をスピーディーにこなすのは
比較的得意だと思われます。
一方で問題を飛ばしてしまうなど
注意力•集中力の低さが目立ちました。

全体を通して

総合的なIQは平均より高い水準でした。
中でも「言語理解」のIQが高く、
平均を大きく上回る水準でした。

しかし、最も高い「言語理解」と
最も低い「ワーキングメモリ」との
差が34非常に大きいです。

「言語理解」の中でも語彙力が高く、
職場でのあなたへの期待が容易に
高まることが予想されます。

これに対して聴覚情報のキャッチ
聴覚記憶の苦手さがあるので、
指示や連絡が聞き取れなかったり、
忘れてしまったりして周囲の期待に
応えられない可能性があります。

日頃から、メモを取る習慣をつける
指示や連絡はメールやメモで受け取る
内容の聞き取りに間違いがないか
丁寧に確認し合うことが必要です。

WAIS–IVを受けた感想

一つ一つはそれほど難しくないですが、
幅広いジャンルの多くの問題に答えるので
とても頭が疲れました。

時間も1時間半ほどかかるので
集中力を保つのに苦労しました。

結果は平均的なIQ(90〜100)より
全体的にほぼ上回っていて安心しました。

しかし、最も高い言語理解(129)と
最も低いワーキングメモリ(95)との
差の大きさは自覚がなく驚きました。

能力の差は発達障害に見られる
一つの傾向のようです。

フィードバックで言われた、
「周囲に過度に期待されて、
期待に応えられず失望される。」

はとても納得できました。

私の漠然とした生きづらさの一つが
明らかになった気がしました。

さいごに

具体的な問題の内容は検査結果に
影響が出るので割愛しましたが、
検査の心の準備になれば嬉しいです。

私はWAIS-IVの他に自閉傾向を調べる
AQ(自閉症スペクトラム指数)検査
インクの染みで心理状態を調べる
ロールシャッハテストを受けました。

ロールシャッハテストの記事も
近日中に公開します。

あわせてご覧ください。


ABOUT ME
ちとし
発達障害(ASD)歴30年。 精神疾患(うつ病、双極性障害)歴7年。 IT専門の就労移行支援に通所中。 似た境遇の方の生きづらさを和らげるヒントを発信してます。